小野妹子とヨーコ

講師の控室、いまは端境期でだれもいません。私だけ、2次試験対策の作文とグループワークの演習で呼び出されます。控室の壁は棚になっていて、辞書やら過去問集やらが並んでいます。それぞれの講師の私物の参考書もあります。
そのなかに「日本史1問1答」というものが。これ、急に歴史の講師を頼まれた若い人のものでしょう。わかるわー、その気持ち。私も歴史の講師が大学の助教授になって、急に「今期の歴史をやってくれ」と言われたとき、ビックリしたから。
次の人がくるまで、面白いことやってやれ、と思ってチャ—チルの「回顧録」を紹介したり、荷風の「断腸亭日記」や塚本隆の短歌を読んだりしました。かなり受けたみたいで、「次もやってくれ」ていわれたけど、二匹目のドジョウはいない、と断りました。
で、その先生も専門外なのでかなりご苦労のことでしょう、と問題集をペラペラ。すると、小野妹子の解説に「子孫はオノ・ヨーコ」て、ありました。えーー、そんなこと、ま、根拠があるから書いたのでしょうが、そうなのかな。
オノ・ヨーコは、かなり名家の出、とは知っていましたが、そうですか、小野妹子の子孫ですか。子どもの頃、小野妹子は女と思ってました。そう思っていた子は多いのじゃないかしら。で、オノ・ヨーコの写真を見て、男性と思ってました。
なぜなら、鳥打帽を被って大きなサングラスをして、ジーンズにジャンパーを羽織った姿は、当時は男のファッションでしたから。いまでいうユニセックスファッションのはしりですね。先祖も子孫も、ユニセックスの先取りです。血ですかね。羽田で人気!

七人の小人とおじさん

家の北側はお風呂、洗面所、台所です。お隣にとっては南側になります。隣家はとても敷地が広いので、その奥の建物との間にいろいろな木が植えてあって、顔を洗いながら、見るのが楽しみです。
春には、梅、馬酔木。夏近くなると都忘れ、アマリリス、そして楓の新緑が鮮やか。圧巻は皇帝ダリアです。3メートルにもなって、大きな花を初冬に咲かせます。すごい見ものです。お風呂で眺めることもできます。
で、今日、お洗濯しながらちょっと覗いたら、あら、見慣れないものが白鳥花の下に。はじめ、猫か犬が居るのかと思いました。でも、よく見ると石の塊。野仏か、いやいや、あの頭のとんがりは何だろう。
で、気付きました。なんと七人の小人のうちの一人です。たった一人なので、あの人、とは思いませんでした。しかも色があせたのか、もともと無かったのか、石の肌がむき出しです。背中がちょっと淋しそう。
そもそも小人といえば白雪姫がつきものでしょう。その家のご主人は、坊主頭の大男です。あ、でも、白雪姫を助けたのは、王子様だけじゃないですよね。初めに猟師が命を助けたのですよ。
関係なくないか。でも、なんだか変。洗濯しながら、小人とおじさんの関係を想像してみました。隣のおじさんは、よく山へでかけます。いろんな植物も持ってきます。
あるとき小人が捨てられていました、たったひとりで。かわいそうになったおじさんは、小人を家に連れて帰りましたとさ。で、どうでしょうか。
小人は「おやじ、俺を連れて帰れ」と言ったのでしょうか。あとの六人は、どこにいるのでしょうか。白雪姫はお城で幸せでしょうけどね。ひどい腰の痛みに…